• 先端技術研究所

    自由な発想で「最先端」に挑み、
    革新的な基盤技術開発を牽引する

    AGCの成長に欠かせない革新的基盤技術を研究開発することを目的に設立された先端技術研究所。その特徴は、技術や市場のマクロトレンドを捉え、サイエンスの視点で技術を磨き、その“先端”をどこまでも尖らせていくところにある。中長期的な観点で、将来必須となる革新的な基盤技術を創出する。それが先端技術研究所の使命だ。

    人類の夢をかたちにする未来技術に挑戦

    先端技術研究所は「私たちは、AGCグループに革新的基盤技術を提供します」をキャッチフレーズに掲げている。そこから生まれる技術とはどんな未来を想起させるのだろうか。成果の一例を知れば、先端技術研究所ならではの技術の“尖らせ方”が見えてくる。
    例えば「ガラス表面へのナノ構造形成」。これは国立大学との共同研究による成果だ。ガラス表面の目的とする場所にのみ選択的に薄膜を形成する技術は世界初。耐熱性に優れたホログラムメモリや太陽電池の効率向上に役立つ反射防止板などへの応用が期待される。この成果は、英国Nature Publishing GroupのScientific Reportsに掲載された。あるいは「脆さを大幅に低減したガラス」。こちらも私立大学との共同研究の成果だ。ごく普通の酸化物で構成されるCaO-Al₂O₃-SiO₂系ガラスを部分的に結晶化させることで、ガラスの脆さを7割低減させた。析出した準安定結晶の持つ独特な特性が多数のマイクロクラックを誘起し、クラックの直進を阻害することで、材料の高靭性化を実現している。「割れないガラス」の実現に向けた大きな一歩として、学会からも高い評価を得ている。
    これら成果の例からもわかるように、先端技術研究所は人類の夢の社会・夢の暮らしを実現していく技術を創出する拠点なのである。

  • 熱処理後のガラスにビッカース圧子を打ち付けた時の様子(SEM写真)。析出した結晶がクラックの直進を妨げ、割れにくくなっている。

    熱処理後のガラスにビッカース圧子を打ち付けた時の様子(SEM写真)。
    析出した結晶がクラックの直進を妨げ、割れにくくなっている。

  • 世界の最先端にドリームチームで挑む

    先端技術研究所の使命は「革新的技術の創出」「先端的共通基盤技術の構築・進化、活用・応用」「高いレベルの先端技術の研究」に挑んでいくというもの。これら3つのミッションに対応する組織体制が整えられている。
    もちろん、組織体制は環境変化もにらみながら柔軟に変化する。例えば、新たに挑戦する技術領域・分野が戦略的に追加されていく。斬新なアイデアは多様性の融合から生まれる。多様なバックグラウンドをもった人財、多様な発想、多様な技術が融合することで生じる“化学反応”によるところが大きい。
    したがって研究所内はオープンフロア。ガラス、有機・フッ素化学、ライフサイエンスなどの専門家や、マーケットを熟知するプロなどが日々接して議論がわき起こる風通しの良い職場環境となっている。社内や他社、大学、研究機関など社外との交流・協業も活発だ。

    研究組織

    革新技術
    グループ
    新商品創出に不可欠な新規ガラス材料を溶解したり、成形したりするプロセス技術を先行開発する「素材プロセスチーム」、ガラスに形状で機能を付与する技術を開発する「成形・加工チーム」、ガラス産業でスマートファクトリーを実現する技術を開発する「デジタル・マニュファクチャリングチーム」の3チームで構成。将来商品を生み出すエンジンとなる革新的技術を創出する。
    共通基盤技術
    グループ
    あらゆる分野に応用可能な評価・分析の基盤技術を開発する。分析技術を追求する「分析科学チーム」、シミュレーション・計算科学や龙8国际娱乐官方老虎机科学を極め応用展開する「ソフトサイエンスチーム」、ガラス製造に関わる問題の原因・由来をプロセスをさかのぼって究明したり、ガラス商品の特性を科学的に評価する「評価技術チーム」の3チームで構成。
    特別研究室
    ガラス材料科学やフッ素材料化学、ガラス成形技術、フロート技術の第一人者のネームを冠した特別研究室はまさに最先端研究の砦。事業・商品にとらわれない自由な発想で「世界初」「世界一」に挑む。最近では含フッ素系オレフィンでは不可能といわれていたメタセシス反応を実現し、アメリカの化学学会誌に掲載され、注目を集めた。
  • 未来に向かって技術で挑戦
  • コアテクノロジー構築の歴史
  • 「世界初」「世界一」に挑み世界に貢献する

    AGCの技術者には多様なキャリア形成の道筋が用意されている。専門分野をとことん深掘りしていき、世界の常識を覆すような発見・発明に挑むサイエンティストとしての道もその一つだ。顕著な功績を挙げれば、特別研究員として自分の裁量で研究室を運営する道が開ける。その頂点であるエグゼクティブ・フェローは、AGCグループ全体の研究開発の方向性を定めていく極めて重要な役割を担うことになる。
    中長期的な観点で革新的な基盤技術を創出することが先端技術研究所の使命ではあるが、研究の成果はいずれ事業に、すなわち社会に還元されることになる。当然ながら、心血を注いだ研究が世の多くの人びとの喜びにつながることが技術者にとってなによりのやりがいになるだろう。もちろん「世界初」「世界一」に挑むことで、学会発表や特許取得などの機会に、サイエンティストとしての成長も実感できるはずだ。

    リサーチ・コラボレーション制度

    大学・研究機関との共同研究を加速するとともに、
    次世代を担う若手研究者の育成を支援

    AGCでは大学との共同研究を積極的に進めている。そのために設けられたのが「リサーチ・コラボレーション制度」だ。当社が研究主題を提示し、公募審査方式により国内の大学あるいは公的研究機関などとの間で、材料科学・材料応用にこだわらず、広く共同研究を実施するというもの。目的は共同研究により得られた成果の積極的な活用を図ることにある。これまでの13年間で15件の共同研究実績がある。公募審査の結果、採択に至らない提案についても優れた研究には、当社から別枠にて研究費や研究材料の支援を行うことで、昨今、大学での研究対象として重視されにくい基礎的な材料研究の支援も行っている。そのような活動を通じて本制度は、次世代を担う若手研究者の関心を高め、その育成の場となることも長期的な目標としている。